英ワクチン、日本で治験8月にも開始

英製薬大手アストラゼネカの日本法人は、オックスフォード大と開発中の新型コロナウイルスワクチンの日本供給に向け、8月にも国内で第1相の臨床試験(治験)を始める意向を固めた。安定供給に向けて国内にワクチンの製造拠点を設けることも検討する。

 公明党が17日、国会内で非公開で開いた会合で同社が説明。終了後に同党が記者団に明らかにした。ワクチンの治験については、製薬ベンチャー「アンジェス」(大阪府)が6月に始めているが、海外製品は今回が初めて。

 同社のワクチンは、英国などで3段階ある治験の終盤(第3相)に入っており、今年の秋~冬にも供給開始が見込まれる。日本政府はワクチン確保に向けて同社と協議入りしたが、国内での実用化には日本人に接種した場合の安全性などを確認した上で、厚生労働省の薬事承認を受ける必要がある。

 同社は会合で、治験の規模や実施方法については言及しなかったが、安全性に加え、ワクチン接種後の血液中の抗体価(抗体の量)を測定し、ウイルスに対する防御反応を確認すると説明。一方、大規模にワクチンを接種して有効性を確認する治験の第3相については、日本の感染率の低さなどから「国内ではできない」とした。海外の治験データを基に承認申請し「特例承認」を受ける道を探るとみられる。

 同社は6月末、海外で製造したワクチンの原液を輸入し、国内メーカーと連携して日本で供給する協議を始めた。ただ、世界的な争奪戦で原液確保が困難になる場合に備え、国内製造も排除しない考えを示した。厚生労働省は16日の参院予算委員会で、今年度第2次補正予算で計上した予備費をワクチン確保に追加的に活用する方針を明らかにしており、政府との協議では資金支援も焦点となる見通しだ。