米黒人暴行死 警官へのデモ 30都市以上に拡大

米中西部ミネソタ州ミネアポリス市近郊で25日、黒人男性、ジョージ・フロイドさん(46)が拘束時に白人警官から暴行を受け、後に死亡した事件で、警察に対する抗議デモは30日も全米各地で続いた。米メディアによると、30都市以上に広がり、デモ隊の一部は車や建物を放火し、主要道路を占拠するなど暴徒化。また2都市で死者が2人出るなどし、緊迫した状態が続いている。

ミネソタ州のワルツ知事は30日朝、「秩序を回復する必要がある」と述べ、第二次世界大戦以降で初めてとなる州兵を総動員する考えを表明。他に6州と米首都ワシントン(コロンビア特別区)が州兵の動員を決定した。トランプ大統領は30日、記者団に対し「もし軍隊の派遣を望むのであれば、準備ができている」と述べ、連邦政府も軍の派遣を用意しているとした。

米メディアによると、西部カリフォルニア州オークランドのデモ会場近くで29日夜、連邦政府の建物の警備担当者2人が銃で撃たれ、1人が死亡。中西部ミシガン州デトロイトでも同日夜、デモ隊に向けて何者かが発砲し、被弾した19歳の男性が死亡した。

ミネソタ州の州幹部によると、29日夜のデモには数万人が参加。30日も各地で大規模なデモがあり、南部アトランタ、東部フィラデルフィア、中西部シカゴ、西部ロサンゼルスなどではデモ隊が警察車両を燃やしたり、主要道路を占拠したりした。黒人の居住者が多いニューヨークのハーレム地区で30日午後に行われたデモには約1000人が参加し、「人種差別を治すワクチンはこの国には存在しない」などと怒りの声を挙げた。

抗議デモは夜間に過激化し、米各地で夜間外出禁止令が出されているが、命令を無視して参加する人が後を絶たず、30日夜もさらに拡大すると警戒が強まっている。