白人警官への怒り全米各地に飛び火

人々の怒りは収まらず、日に日に増長している。
アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス市で25日、白人警官が拘束していた丸腰の黒人男性の首を圧迫死させた事件。警官は免職となり、29日に殺人などの容疑で逮捕されたが、白人警官による度重なる黒人への不祥事に、人々は怒りを抑えきれない。
逮捕されたのは、デレック・ショビン容疑者(Derek Chauvin)。容疑者ら4人の警官は、偽札使用の通報を受けスーパーに駆け付け、ジョージ・フロイドさん(George Floyd)に手錠を掛けた。その後、ショビン容疑者はフロイドさんを地面に押さえ付け、膝を使ってフロイドさんの首元を8分近くにわたって圧迫し続けた。
フロイドさんは圧迫されている間「I can’t breathe」(息ができない)「Mama」(お母さん)などと悲痛に訴え続け、助けを求めた。反応がなくなってからもさらに2分にわたり、圧迫を緩めなかった。フロイドさんは救命処置を受けることもなく、その後死亡が確認された。
この一部始終を捉えた動画は、ソーシャルメディアで瞬く間に拡散された。動画を観た人々から聞こえてくるのは怒りの声だけではない。中には、不眠を訴え始める人も出てきている。
筆者はこの動画を翌朝のニュースで見たのだが、そこには1人の尊い人間の命が奪われようとしている残酷な過程が映し出されていて、反吐が出るほど不快な気持ちになった。残忍な行為が、脳裏に焼き付き離れない。もうこの動画は観れない。観たくない。なぜそこまで気分が悪くなったか。それはこの警官に「明らかな殺意」があると感じられたからだ。

警察署が火の海に 緊急事態を宣言
この事件に抗議するため、ミネアポリスでは多数のデモ隊が警察署に押し寄せ、火を放った。一部の州民は暴徒化し、警察とは関係のない州内外の店舗でも、火災や略奪、破壊行為が多数発生している。
ティム・ワルツ州知事は緊急事態を宣言し、州兵を招集して抗議活動に対応している。人々に冷静になるように訴えているが、沈静化する気配は見られず、人々の怒りは全米に飛び火している。