香港安全法制、28日採択 「一国二制度」形骸化 中国全人代閉幕へ

中国の第13期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第3回会議は28日、反体制活動などを禁止する国家安全法を香港に導入する方針を採択し、閉幕する。

同法導入により香港における言論の自由が中国本土と同様に制限され「一国二制度」が形骸化する懸念が高まっている。米国を中心に国際社会から強い批判が出ているが、習近平指導部は6月にも立法作業を終えるとみられる。

全人代に提出された「香港が国家安全を維持するための法制度と執行メカニズムの確立に関する決定案」は「外国勢力がいかなる形であれ香港に干渉することに断固反対する」と規定。「中央政府の機関が香港政府に組織を設置し、国家安全に関連する職責を果たす」と定めており、共産党体制を批判する民主活動家らを取り締まるための機関が香港に新設される見通しだ。具体的な法整備は、全人代常務委員会が行う。

国家安全法の施行により、昨年から続く反政府抗議活動がさらに厳しく弾圧されることは確実だ。国営中央テレビによると、中国軍の陳道祥香港駐留部隊司令官は、同法について「分裂勢力や外部の干渉勢力を震え上がらせる」と強調。さらに「駐留部隊は中央政府の決定を断固として実行し、法に従い党と人民に与えられた任務を全うする」と述べ、香港の治安維持に関与していく構えを示した。

全人代閉幕に先立ち、国政助言機関・全国政治協商会議(政協)が27日、香港に関して「憲法に関連した制度の改善を断固支持する」と明記した活動報告を採択して閉幕。政協は毎年3月に全人代と並行して開かれるが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期された。