対策早ければ死者半分 米大推計、トランプ氏反発

米国で「社会的距離」などの対策が1週間早く講じられていれば、死者は半分以下に抑えられていた―。

米コロンビア大の研究チームが新型コロナウイルスに関する研究報告で推計を公表した。対応の遅れが感染拡大をもたらしたと解釈できる内容で、トランプ大統領は反発している。

同大チームは「米国内の感染拡大が本格化した2月から対策が始まった3月中旬まで」と「対策開始から5月上旬まで」の感染拡大ペースを郡単位で調べた。とりわけ都市部で「社会的距離などの対策によって、ウイルス拡散が大幅に減少した」と結論付けた。

その上で、5月3日時点で約6万5000人だった死者数について、対策開始が1週間早ければ55%少ない約2万9000人にとどまり、感染者数も62%少なかったと試算した。2週間早い3月初めに対策を講じていれば、死者は約6分の1の1万1000人余りだったと推計している。

トランプ政権は当初、新型コロナの影響を楽観していた。景気に悪影響を及ぼす経済活動規制などの措置に後ろ向きで、野党民主党から「対策が後手に回った」と批判されている。

20日に公開されたコロンビア大の推計を聞いたトランプ氏は21日、記者団に「私は誰が考えるよりも早く、反対を押し切って(感染が最初に拡大した)中国からの入国禁止を決めた」と反論。「コロンビア大は非常にリベラルだ」と述べ、政治的な意図があると訴えた。ベトナム戦争をはるかに上回る米国人が死亡する事態を前にして、神経質になっている。