トランプ支持率、最高水準

アメリカでは新型コロナウイルスの感染者や死者が世界第一となり、トランプ政権の対応が改めて注目されるなかで、トランプ大統領への一般アメリカ国民の支持率が就任以来、最高水準に達したという世論調査結果が5月17日、発表された。
同大統領のウイルス対策については日本の主要メディアでは「失敗」や「誤算」が強調されているが、アメリカ国民の多くはそれほど批判的な見方をしていない、ということのようだ。

アメリカの世論調査機関のなかでは最古の伝統を有するギャラップ社は17日、トランプ大統領の人気に関する最新の全米世論調査の結果を発表した。その発表によると、5月1日から13日の間に実施された調査での「あなたはトランプ大統領の統治ぶりを支持しますか」という質問に「イエス」と答えた人が全体の49%、「ノー」という回答が48%という集計が出た。

トランプ大統領への支持率49%という数字はギャラップ社が2017年1月の同大統領就任時から定期的に実施してきた世論調査では最も高いという。ただし今年3月にも同じ49%という数字が示された。しかしそれ以前も以後も同社の調査でのトランプ大統領の支持率は40%台前半から45、46という水準を前後していた。

ギャラップ社の世論動向分析者のジェフリー・ジョーンズ氏は「アメリカ全土がコロナウイルスの大感染に襲われ、経済が麻痺するなかで、その対策の最高指導者のトランプ大統領への人気が上がることは、国民多数が大統領の防疫対策、さらには経済政策を基本的に支持し、さらに5月に入ってのウイルス感染の拡大停滞の兆しにやや元気づけられたことなどが原因とみられる」と論評した。
一方、トランプ大統領の統治全般、とくにコロナウイルス対策についてはアメリカの年来の民主党支持の主要メディアが同大統領の放言、失言、政策の小さなミスなどを拡大してネガティブな報道を続けてきた。
具体的にはニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNNテレビなどがその反トランプ媒体の代表例だといえる。

これらの媒体はトランプ政権のウイルス対策でも、統治一般でも、その実績の内容や成功の実例を伝えることはきわめて少なく、そのネガティブ報道だけを読むと、トランプ大統領もトランプ政権も失敗、失態、錯誤を重ね、アメリカ国民一般からも忌避されているような印象を受ける。

日本でも主要な新聞やテレビはアメリカ側のこの反トランプ・メディアからの発信に依存しての報道が多い。日本側のアメリカ通とされる人たちの間にも同様な傾向が目立つ。その日本側のメディアや識者から発信される「トランプ報告」からは大統領が肝心のアメリカ国民の大多数からも嫌われ、拒まれているというイメージが生まれてくるといえよう。少なくともトランプ大統領がいま現在、就任以来の最高支持率を記録したなどという現実は伝わってこないだろう。

だが現在のトランプ大統領の支持率は前任のオバマ氏や二代目ブッシュ氏のこの時期の支持率よりも高いのだ。

同じギャラップ社の記録によると、各大統領の就任から3年4ヵ月目、つまりトランプ大統領にとっての2020年5月の支持率はオバマ大統領の47%、二代目ブッシュ大統領の47%、初代ブッシュ大統領の41%、カーター大統領の40%という数字よりもみな高いのである。

過去6人の大統領のうち、この時期の支持率がトランプ大統領よりも高かったのはクリントン大統領の54%、レーガン大統領の53%という2人だけだった。

もちろん大統領の人気の実態は特定の世論調査の数字だけではわからない。世論調査はあくまでも瞬間風速であり、そのときだけの状態だともいえる。だが日本の多くのメディアではまったくの失態、まったくの不人気のように断じられるトランプ大統領の支持率がいま就任以来の最高だという現実は、反トランプの基調にとっては「不都合な真実」なのかもしれない。